個人的なZooey論
ぴゅん

 いや〜 ほんと大傑作やわ。

 ぼくは発売以来、一日一回は聴いてんねん。1番好きな曲を選べっていわれてもそれは無理やわ。比較なんてできやせん。でも仕方ないから何曲か選らんで、己れが感じたことを記す。

 まず、「世界は慈悲を待っている」。元春のジャーナリスティックな面が出た曲やな。最近の無責任な政治家が出てきたり、欲望に忠実なこの世界をシニカルに描写してるみたいや。慈悲という言葉は仏教用語で、ビートニクスも仏教に傾倒してたっけ。この曲をうたうプロモ映像の元春は半分ポエムリーディングしてるみたいにも見える。一聴、クールな感じがするこの曲だが、あらゆる手を尽くした人間が最後に、もう祈るしかないという追い詰められた状態にも聴こえる。良い意味での開き直りがあり、ここまでくれば前に進むのみ、コワイものなんてない。

 「虹をつかむ人」。う〜ん、ほんと良い曲やわ。こんなストレートな歌詞はありそうでなかったよなあ。これはぼくのことを唄ってくれてると思わずにいられない。ぼくの中で「SOMEDAY」と並ぶかそれ以上のスタンダードナンバーになる予定だ。だって素直に勇気付けられるんだもの。

 「愛のためにできたこと」。この曲は、はじめて聴いた時は正直、ピンとこなかったが、聴き込むと味が出てくる。歌詞も意味がわからなかったが、逆にいうと、自由に解釈できる曲だろう。元春の個人的な部分が一番出ている曲かもしれない。なにがあったのかはわからない。それぞれが己れのストーリーをこの曲に継ぎ足せばよい。

 「ポーラスタア」。よくぞここまでカッコ良い曲を創ってくれたなあ〜って素直に思う。どこか懐かしいテイストが良い。マイナーコード系っていうのかな? 久しぶりに聴いた感じがする。沢田研二さんにも唄って欲しくなる。深沼さんのギターソロは感涙ものだ。

 「詩人の恋」。あ〜 なんて美しい曲だろう。抽象画を眺めるよう。こんな恋人同志って理想だなあ。でもしかし、なぜか生の裏側、死を考えさせられる。この曲の主人公の男は恋人の「魂」と会話しているみたいにも思える。いつかは誰でもさようならの時が来るのであって、だからこそ、今この時、そしてこれからの生を精いっぱい輝かせて、一緒に生きて行こうと‥‥そんなメッセージを受けとった。

 「スーパー・ナチュラル・ウーマン」。ユニークな曲だなあって思った。女性を馬に例えたり、君が太陽なら僕は月だととか、愛よりも本能が全てだなんて表現はいままであっただろうか?はじめて聴いた時はビックリしてしまった。元春は本当にふっきれたんだな〜。ボーカルのタッチもカッコ良いし、最高だね この曲。「ビートニクス」や「Zooey」も理屈や意味よりも、ロックを楽しんでるのが伝わってきて、そのふっきれ感が心地いい。

 『Zooey』はこれからも一生大切に聴いて行きたいアルバムだ。毎日はつらいことも多いけど、陽気にやっていこうと勇気をもらえるアルバムだ。