彼女は写真を撮るように歌を書く
彼女は歌を唄うように写真を撮る
彼女のなかで写真と唄が響き合う瞬間
ポエトリーが生まれる

Nanakoの新しい音楽を聴く
それは僕の喜び
彼女が上手に雨に濡れるとき、虹が生まれる

Nanakoの新しい声に触れる
それは僕の怖れ
彼女が野生の花を摘むたびに、森がさざめく

Nanakoの新しいダンスに誘われる
光は黄色から紫へと輝きを変える
壁のひっかき傷とくずれた天井
形にならなかった光の束
見捨てられた時間

僕が運転を替わろうか？

佐野元春