あの「シー・ファー・マイルズ」を自身の入場テーマ曲として使用していたこともある熱心な佐野元春ファン、大森隆男はいま最もパワフルなプロレスラーのひとりだ。佐野元春とプロレス。ミスマッチだと思う人もいるかもしれないけれど、相性は意外によいのではないだろうか。かつて伊藤銀次が歌舞伎に譬えた佐野元春のライヴ・パフォーマンスだが、ザ・ハートランド時代の佐野のステージを観て、全盛期のアントニオ猪木のファイトを連想した経験が筆者にはある。さらにミュージシャン同士のセッションとプロレスの試合には共通点も少なくない。特に昨今のプロレスは音響や照明などを含む総合的なエンタテインメントでもある。プロレスを生で観たことのない人にはぜひ大森選手の試合を体験して欲しい。近い将来、間違いなく世界のタイトルを手にする男だ。 |
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