今、何処Tour2023 日付/会場:2023/09/03 東京国際フォーラム ホールA |
お名前:らくガキ 投稿日:Mon, Sep 18 2023 18:36:42 JST |
「不完全な完全」 2023年 晩夏 / 今、何処Tour東京公演 Now & Here #32 2023年9月3日(日)「今、何処 Tour2023」 2023年9月3日 日曜日 晴れきびしい残暑は続く。 真夏の街中がハレーション気味にギラギラっと立ち上がる 情景にワクワクします。 とはいえ、こんなに猛暑が長く続くとさすがにバテ気味..........。 でも、時折り吹く風に秋っぽさが混ざってる気がする。 どうでもいいけど、7月の終わりに人生初の骨折をした。 間抜けなことに部屋の入り口に足の小指を ぶつけてしまい、ただの打撲だろうと思っていたけど、 痛くて痛くて腫れてもいたのでお医者さんで レントゲンを撮っみたら折れてた……。 大袈裟なギブスではなく、足の外側を包み込むように 小型の石膏で固定する感じ。 お天気は夕方からは雨降りの予報。 折りたたみ傘を手にして、もうほとんど痛みのない 左足を少しだけかばいながら電車に乗り込む。 いつもの赤い電車から品川駅で東海道線に 乗り換えて東京駅まで。 東京駅の丸の内南口の改札を抜けると美しく緻密な デザインの天井が今日も世界中の旅人たちと ビジネスマンを迎え、送り出している。 その天井の八角形の隅にある干支のレリーフ。 そのレリーフは方角を表しているらしい。 東京国際フォーラムは有楽町からは目の前だけど 東京駅からは少しだけ南に下る。 開場前、フォーラムA入り口には徐々に 今夜の音楽を心待ちにした人たちが 集まってきていました。 スタッフの指示に従い列がつくられ 入場の準備。 午後5時を少し過ぎてから入場。 おまけのTシャツを受け取り、 このツアーからは感染症予防の手順は省かれた。 前回の静岡での公演で目につけていたグッズは ひと通り手に入れていたのでまずは席の確認。 今回は藤田さん寄りのはじっこだけど 思っていたより見やすそう。 座席数は静岡の会場の5倍! 5,000人以上入るこの会場はあらためて全体を 見回すとやっぱりデカい!! 午後6時が過ぎる。開演時間定刻を 10分ほど回ると会場がスッと暗転 アルバム「今、何処」最後のタイトルサウンドが 舞台のバック、そして舞台の上両側に設置されれた とても大きなモニターに「今、何処」の文字と 入り組んだイメージとが相俟って映し出され、 バンドのメンバーが舞台に現れた。 はじまりのバンドサウンドに少しずつにじり寄っていく。 佐野元春はエレクトリックピアノの前に腰かける。 すると小松シゲルのドラムスがドッパッパパン!と 転がりコヨーテバンドのサウンドがくっきりと立ち上がった。 「さよならメランコリア」 いっときたりとも留まることのない世界文明が崩壊して 荒れ果てた情景さえも風化した砂漠。 もしくはもともと生命体の存在しない 見知らぬ惑星の大地がモニターに映し出されている。 舞台の両脇上に設置されたデカいモニターにはバンドの 奏でるサウンドにリンクしたミュージックビデオや イメージの映像、そしてタイポグラフィ。 1989年ナポレオンフィッシュツアーで ジェイムズ マジオ氏との共同作業で 表現されたステージを憶えている。 ハートランドのタイトなサウドにリンクして、粗削り だけれどもかなりアグレッシブで抽象的な表現を駆使した とても印象的なステージだった。 今回の「今、何処」ツアーではそれらをさらに アップデートさせた表現のように感じました。 バンドのリアルなサウンドがうなりをあげている。 それを補うシーケンスのサウンドが緻密な楽曲のイメージを さらに奮い立たせる。詩と唄とメロディから導かれたサウンド 絶妙なタイム感、流麗なタッチ、信じられない指さばき、 腕さばき高精細のたおやかな映像浮かび上がるタイポグラフィ そしてオーディエンスの高鳴る鼓動。 それらがすべて共振してカタチのない波動が 何処までも舞い上がっているのが見えた。 「冬の雑踏」コヨーテバンドならではのCity Blues 藤田顕の心象が刻むギターのカッティング高桑圭師匠と 小松シゲルのリズム隊はビシッとしたタイトさとゆらっと 揺蕩うグルーヴを繰り出す。すべてを抱きしめる シュンスケさんが奏でる鍵盤の音色 そして佐野元春が奏でるブルースハープ 深い絶望 淡い悲しみ 擦り切れた希望 尊い優しさ くじけない情熱 濃く柔らかな鉛筆で描いたスケッチに 油性絵の具や水彩絵の具、 様々な具材の色を組み合わせて色付けされて滲んだ キャンバスから浮かび上がった世界のようです。 中盤ではアルバム「ENTERTAINMENT!」からシニカルで ゴキゲンな「エンターテインメント!」タイトなグルーヴと 素晴らしいコーラスの「新天地」 ラッパがなくても揺れて踊れる「愛が分母」 絶妙なサウンドが響き渡る空間に圧倒されて思わず ぼくは何度もへたくそな指笛を繰り出した。 つづくコヨーテバンドが構築して 磨き上げたロックチューン! 「ポーラスタァ」 「LaVita e Bella」 「純恋」 そして「ハルナツアキフユ 風は光になって私たちは ずっと共にいる」心のそばでゆったりと奏でられた 「詩人の恋」 季節のまなざしまばゆい笑顔弾ける生命 あの日見た朝の景色 ここらでさようならと手を振る人 残酷な日常を抱きながら心の修繕を時に委ねて 今日も太陽と雨の洗礼を受ける。 場面が変わり再び高精細のモニターに砂漠が映る。 「エデンの海」のビッグビートが変わることのなく 星が瞬く「君の宙」へと続く路の上を翔け上がる。 流れるようにつづくロックサウンド「水のように」から 継ぎ目なくメドレーのように小松シゲルのカウントで 畳み込む「大人のくせに」何処かへ飛んで行って しまいそうな大好きな最高のロックンロールのサウンド!! 藤田顕の12弦のエレクトリックギター 深沼元昭のギブソンレスポール・ゴールドトップ 佐野元春は久しぶりにフェンダー・ジャズマスターで イントロのリフを奏でた「明日の誓い」まだ出来立ての 新曲として披露してくれた川崎のライヴハウスでの フォークロック感にさらに磨きをかけて くじけそうなぼくやあなたの魂に灯をともす。 堂々めぐりの”もどかしい世界。”コヨーテバンドは 強力なロックサウンド「優しい闇」で この瞬間を解放してすべてのオーディエンスの心に ”ささやかな勇気”を焼き付けた。 アルバム「今、何処」の中でももっとも印象的で 重要な楽曲「永遠のコメディ」 ツアーのセットリスト本編にこの曲は入らなかった。 あえてこの楽曲を演らない選択をすることによる 「不完全な完全」 ないことによる不足を感じさせない 「今、何処」ツアーでの完璧なLiveパフォーマンス。 かえってその事が、この答えのないさまようぼくらが 通り過ぎていく今の景色をぼんやりと浮かび 上がらせていたようにも思います。 2度目のアンコール印象的なコメントの後に 奏でられた「SOMEDAY」 そしてその後にもう1曲!バンドにこれやるぜ!って感じで 舞台をうろつきながらEのコードを掻き鳴す棟梁、 そして、わかったぜって感じで「アンジェリーナ」に なだれ込むコヨーテバンドにめちゃくちゃしびれたよ〜! 帰りの駅のコンコース 清らかに揺れる空気 邪悪に揺れる空気 揺れのない空っぽのただの入れ物のような肉体 激しい生存競争姑息な手口 汚い取引 利益のための愛想笑い 都合のいい言い訳 その場しのぎの勝手な思い込み 精神的なカタワ 底意地の悪い自分にうんざりして…。 いたたまれなさを感じながら小さなギブスを 付けた足でこの世界をすり抜けていく。 この日、自分のぶっ壊れてる左耳の調子が 今ひとつだったけど、今夜「今、何処」Tour202 東京国際フォーラム公演までたどり着けた自分、 奇妙な日々をくぐり抜けてきた佐野元春のことが 大好きなみんな、 ヤバい音楽を更新続ける佐野元春 & TheCoyteBand! そして、佐野元春がアンコールでの印象的なコメントで 哀悼の意と更なる志を表した偉大なるロックンロール アーチスト達に心からの敬意を表して、 ぼくは、帰りに家の近くの中華屋さんでレバニラ炒めと 生ビールを注文して心の中で盛大に乾杯と献杯をしました...! どうもありがとう! しばらくは、その少しの勇気と儚い正気を携えて 奇妙な今をさまよってみたいと思います。 |