マニジュ・マイ・ストーリー
Berry Jam

 その音楽の中にルーツが感じられたら、その曲は詩があっても無くても、私にとって良い曲。その響きが私の中にあるルーツを思い起こさせてくれ、響きあった時に感動が生まれる。ボブ・ディランも、サイモン&ガーファンクルも、10代半ばの私の心に深く入った。

 日常を普通に暮らす人々(自分もその一人) が、日々を一生懸命生きていることの証として、過去と未来をつなぎ留め、その時々の今を表現する音楽。ポップソングとはそんな音楽だと思う。

 佐野元春が、今の時代のポップソングを創ってくれた。

 Maniju。そのアルバムを何度も聴いた。新しい自分と出会うという事は、自分のルーツと出会う旅でもあるのかもしれない。自分の中には自分の知らない自分がいっぱいいるんだなぁと、そんなことを感じた。

 聴き終わった後には、心のメンテナンスをしてもらったみたいに何かすっきりする。「まるで一曲一曲がヨーガのアーサナのようだな」と思った。

 どうやらこの「Maniju」アルバムには、心の深いところを解きほぐしてくれる作用があるようだ。心が軽くなり、また明日も聴きたくなる。