佐野元春
君が初めて恋をしたのはいつだろう
思春期、魔法の季節
僕が大雑把に思うにそれは12歳から18歳だ
その年齢の真っ只中にいる君はわからないかもしれない
ひとつ確かなのは
その頃を生きる君には
不思議な力が備わっている、ということだ
聖なるものも邪悪なものも瞬間で見透かすことができる
そんな魔法の力だ
純恋(すみれ)
この曲を少年たちに捧げたい
この曲を聴いて
大人には見えない秘密の暗号を読み解いてくれたらいいな
でもこれは広告ではないので
みんなに知ってもらわなくてもいい
この曲をどこかで聞いてくれた君だけが
誰かに恋する心をそっと開いてくれたらそれでいい
僕のささやかな経験からすれば
恋の情熱は希望を生む
大人になっていく君にとって
その希望は、良い友達になると思う
もし今君に、心惹かれるひとがいたら
もののわかったふりしている大人たちのことなど気にせず
その窓から這い出して、夜空の星を見上げてほしい
そして世界と分かちあう言葉と振るまいを身にまとい
そのひとのことを守ってほしい
少年よ、魂のスクリューを全開に
うまくいったらおめでとう
うまくいかなくても、少しだけ前進
思春期、魔法の季節
心配しなくていいよ
恋する力で世界を見返せ
ひとつ確かなのは
その頃を生きる君には
魔法の力が備わっているのだから
2017年6月30日
words & music: moto sano
惹かれあうたびに訪れている
ふたりにしか見えないこの場所で
生まれかわったように
何の痛みも感じない
ただありのままの君がいる
その言葉のひとことで
すべて変わるよ
夜明けまでには
どうかたどり着きたい
恋に落ちればもう
誰もが愚かになるよ
夜空の星に
そっと導かれて
君がいなければ
この心は闇にさまようだけ
ここでふたり自由になって
何の不思議も感じない
ただありのままの君がいる
その言葉のひとことで
すべて失うよ
溢れる想いを
とても隠しきれない
恋に落ちればもう
誰もが愚かになるよ
夜空の星に
そっと導かれて
君がいなければ
この心は闇にさまようだけ
狂おしい時代に生きている君
天使たちが静かに堕ちてゆく
壊れた現実は自由への旋律
あの寂しげな瞳に気づくのはいつ?
それが知りたい
それが知りたい
それが知りたい
恋に落ちればもう
誰もが愚かになるよ
夜空の星に
そっと導かれて
君がいなければ
この心は闇にさまようだけ...
© 2017 M's Factory Music Publishers