ハートランドからの手紙#173
掲載時:2004年10月
掲載場所:amazonサイトに掲載
掲載タイトル:この続きはコンサート会場で

 来年2月にかけてTHE HOBO KING BANDと全国ロード中。新作アルバム「THE SUN」を持ってのプロモーショナル・ツアーだ。今回は公演が久しぶりのところもあり、バンドもクルーもはりきっている。もちろん一番楽しみにしているのは僕自身だけれど。

 4年ぶりの新作「THE SUN」。ネットなどを通じてリスナーから感想を頂く。世代はさまざまだがそれぞれにこのアルバムを身近に感じてくれていてうれしい。最近では新しい世代からの声をよくもらう。

 バカなおとな達のマーケティングにだまされない賢明さを持って彼らは、ランキング式の音楽になじめないでいるのか。もっと自分に合った音楽をさがしているのか。

 かつて僕がそうだった。若造だった頃を振り返れば、当時自分よりずっと年上のソングライターのレコードを聴いて泣いたこともあった。音楽が心の琴線に触れる瞬間。そこに初めて音楽への信頼が生まれると思う。

 「THE SUN」を制作する個人的な4年間。花あり喧嘩あり、筋を通すことも、理不尽さに抵抗することもあり、運命の出会いもあり、いつものように「サヨナラ」があり「こんにちは」があった。しかしそれはたいしたことではない。

 音楽人としてもっとも怖れることは、音楽への信頼を損なうこと。黙っていたり、静観を決め込んだりするうちに、「信頼」はいつのまにか「諦念」にすり替わる。

 それは 'coooool' ではない。

 今年ももうまもなく過ぎてゆく。何にしても2004年、まずこのアルバムがファンに向けて解放されたことが何よりもうれしかった。

 アイシテイル、アイシテイル、数えきれない偶然を。愛のある予定を。
次の年は、自分の流儀をさらに 'DIG' したい。

 現在全国ロード中。この続きはコンサート会場で。

 読んでくれてありがとう。


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