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★★★★  ノージのSmall Town Talk スペシャル  ★★★★
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『速報! The Hobo King Session at 京都・磔磔』号
 <1998.2.1>

★号外だよ!★
 福岡公演を終えて、やっとこさ東京へと戻ってきたノージです。浜松〜大阪
〜京都〜福岡という、10日にわたる長旅。さすがに東京の空気が懐かしいどす
えですたい(←最近、行った場所のニセ方言を混ぜるのがマイ・ブームでHKB
さんにいやがられています)。

 1月26日、京都のライブハウス“磔磔”でおこなわれたThe Hobo King Sess
ion“お正月スペシャル?”の模様をお伝えしたくての“号外!”。遊び疲れ
て、なかなかSTTにとりかかれずに遅くなってしまったのですが……。これは、
いわばHKBの“部活動”。The Barnツアーとは無関係とはゆえないセッション
ですからね、ぜひぜひご報告したくて。

 だいたい、このセッションには関係ないはずの佐野さんでさえ燃えてたんで
すから。なんで燃えるかなー。出演しないのに……。

■ CONTENTS -----------------------------------------------------------
■HKB、選曲するの巻
■HKBの休日
■オクラホマの巨人、ひみつで来日!!
■The Hobo King Session at 磔磔
■おまけ〜演奏曲目リスト
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■HKB、選曲するの巻

 佐野さんをのぞくThe Hobo King Bandの面々が全員集まってのセッション
“The Hobo King Session”も今回が3度め。

 これは何かと、いちおう説明しておきます。

 もともと、昨年3月にKYONとトミーがやった“ウメキョン・セッション”に
他のメンバーが日替わりでゲスト出演したことをきっかけに始まったのですが。
毎回、各自がお気に入りのカバー曲や自作曲を持ち寄って披露する“The Hobo
 King Bandのお楽しみ会”みたいなものです。

 でも、お楽しみ会といっても……この面々ですから、毎回ものすごいことに
なっちゃうんですけどね。

 「選曲しなくちゃなぁー」などと話しながらも、なかなか忙しくてセッショ
ンの相談ができなかったHKBですが。いよいよ旅も始まった浜松公演、セッシ
ョンも3日後にせまっているとゆーことで責任者のKYONさんを中心に東京駅か
ら選曲ミーティングが始まりました。

 東京駅で新幹線に乗り込んだとたん、HKBは佐野さんの「Sugatime」のシン
グルを見て盛り上がっておりました。なんでそんなもの見ていたかは、まだナ
イショ。ジャケット写真の佐野さんは、超若いうえにシティボーイな(←死語)
ファッション。で、わーわー盛りあがっているところに遅れてやってきた佐野
さん。「またそんな古いものを……(泣笑)」とずっこけ。

 ちなみに「Sugartime」のシンセはセンパイが弾いているそうです。それを
聞いて、一同「センパイ、オトナだなぁ!!」と、感動。

 甲斐バンドの「HERO」のレコーディングで弾いていたりと、最近センパイの
“オトナ”ぶりを証明する事実が次々と発覚。日本ロック界の生き証人っつー
か、そんなです。

 で。浜松の楽屋には資料用CDがごっそり。

 そして、みなさん覚えていらっしゃいますでしょうか、フルーツ・ツアーat
浜松アクトシティの“楽屋拝見”写真を。佐野元春画伯のマンガ展がおこなわ
れた、あのホワイトボードを。

 今回も、ホワイトボードはちゃんと置かれていました。ただし、画伯のマン
ガはなし。なぜなら、これが選曲会議に使われたからです。KYONさんが全員の
名前を書いた表を作り、それぞれの歌いたい曲を書き込んでいきます。

 なぜか、京都でのセッションに関係ないはずの佐野さんも「じゃあ、オレは
ねぇ……」とミーティングにわりこんできますよ。

 楽屋ロック喫茶の延長のような感じですから、誰かが何か言うとシリトリの
ようにミュージシャンや曲名が並んでいきます。

 トミーがイアン・ゴムといえば、コロちゃんが「じゃあ、オレはポール・キ
ャラック!」といい、佐野さんが「そーいえば、ロックパイルとかいいよねぇ
……」。

 それで、今回はどっかに「パブ・ロック特集」をやろうということになりま
した。

 あと、その後もずーっと盛り上がっているネタは「HKB ホールド・オン・コ
ンサート」。イアン・ゴムとかサム&デイヴとか、「ホールド・オン」という
曲はものすごく多い。なので、いろんな「ホールド・オン」だけを演るライブ
はどうだっ!?

 「じゃ、次の曲は「ホールド・オン」です。(中略)どうもありがとう、そ
れでは次の曲は「ホールド・オン」です。(中略)それでは最後の曲になりま
した、「ホールド・オン」です。(中略)アンコールありがとう、では聞いて
ください、「ホールド・オン」。(中略)2度もアンコールがあるとは思わな
かったので、何をやろうかと迷ったんですけど……聞いてください、「ホール
ド・オン」です」

 こーゆー音楽ネタでゲラゲラ笑っているのが、ものすごくHKBっぽい光景な
のですが。これが客観的にオモロイかどーかはナゾ。でも、きっとロック好き
な人たちなら、こういう他愛ない音楽バカ話をしているときのシアワセな気分
って……わかるよね?

 資料用に集めたCDをかけては、みんなで歌ったりして……“ロック喫茶”
というよりは“うたごえ喫茶”みたいな状態になっております。楽しそうです。

 テキパキとホワイトボード上の候補曲を整理して、ライブの構成を決めてい
くKYONさん。プロデューサーとかバンマスというよりも、軽音楽部の部長さん
って雰囲気です。

 コンサートが終わった後も、すぐに楽屋で資料用のCDをカセット・コピー
する作業が始まりました。

 そして、ホワイトボードには大きな文字で……

 「明日、6時から口(くち)リハやります!!(at コロかKYONの部屋)」

 という連絡事項が……。今回は、いつものようにリハーサルの合間にステー
ジで練習するヒマがなかったのです。だから、ホテルの部屋で自分のパートを
歌って“口リハ”するだけで本番にのぞむことになりました。

 えー、ホントにそれだけの練習で大丈夫なんでしょうか……??

■HKBの休日

 翌24日。浜松を出て、25日に公演のある京都へ向かうかと思いきや。HKBは
大阪へ。翌日、車で京都へと向かうそうです。なんでわざわざ大阪に行くのか、
ノージはよくわかりませんけどね。たぶん週末でホテルが混んでるとか、そー
ゆー理由なのかな。

 とにかく、HKBは新幹線で大阪に到着。

 こういう公演の合間日は“移動日”と呼ばれており、いわば休日のよーなも
のなのですが。HKBは休むわけにはいきません。なぜなら、26日に京都でおこ
なわれるシークレット・セッション(←別にヒミツじゃないけど、特に宣伝も
していないから知らない人も多いのです)の“口リハ”がおこなわれるからで
す。

 リハーサルまでに、自分が演奏する曲の譜面を書いてくること。

 という宿題があったので、前夜は飲みに行くこともなくホテルの部屋に戻っ
たメンバーも多数。

 でも、なんか、これだけの一流ミュージシャンが揃ってるから当然かも知れ
ないけど……。メンバー全員が、CDを聞きながらサラサラッと簡単なコピー
譜面を書けちゃうってすごいなぁと思います。なぜなら、昨今のJ-POPシーン
は自分で譜面の書けないミュージシャンがびっくりするほど多いですからね
(泣)。

 大阪に到着してすぐに、全員譜面書きのために部屋に。前日から「レコード
買いたくて気が狂いそうだ!!」と悶絶していたコロちゃんは早めにオシゴトを
終えて、ノージの案内にて心斎橋タワーレコードへ。

 ここのタワーはホントに素晴らしいです。なんつーか、要するに超HKB好み
なディスプレイなのです。以前、カントリー・ロック特集をやった時にはKYON
さんのフェバリットであるベアフット・ジェリーがザ・バーズを押さえて売り
上げ1位を記録したっつーくらいですから。

 今回も、コロちゃん来訪を予見していたかのような見事な品揃え。

 わぉ〜ん。

 と、まるで「Drive」の佐野さんのような歓喜の雄叫びをあげて混雑する店
内に消えてゆくコロちゃん……。

 1時間後、再びその姿を発見した時には「やばいっすー」と、パンパンにふ
くらんだタワー袋(大)をひきずって歩いていらっしゃいましたよ。

 ハッと気がつけば、5時45分!!

 あわててタクシーでホテルへ戻ります。

 やがて、小田原アニキをのぞく全員がコロちゃんの部屋に集合。アニキはパ
チンコを終えて、大遅刻して登場しました。

 さっそく、コロちゃんが浜松から自ら運んできたガット・ギターをとりだし
てリハーサル開始。コロちゃんの伴奏で、それぞれのレパートリーの歌とか構
成とかアレンジを確認しながら全員でフンフンフン〜と歌ってます。

 ホテルのふつうのシングル・ルームにHKB全員がひしめきあってる様子は、
かなりヘンです。ベッドの上とかテーブルの上とか、床の上とか……ぎゅうぎ
ゅう詰めで。だけど、すごく楽しそう。田町探索隊(トミー、コロ、KYON)に
よるコーラスの練習なんて、ライブで聞くよりずーっと素朴でフォーキーで新
鮮な感動が……。

 ノージは思いました。この風景、どっかで見覚えが……と。そうだ!! 高校
時代とかに友達んちに行って勉強部屋でレコード聞いたりギター弾いて遊んで
いる時の感じにそっくり。あと、文化祭前日の感じとかね。

 ポテトチップとかのお菓子をポリポリしながら練習しているところとか、
「ホテルのコピーはさんじゅうえんだけど、コンビニならじゅうえんだ!!」と
譜面コピーにわざわざコンビニまで走るところとか。なんか高校生みたいだな
ぁ。今年でよんじゅっさいの厄年コンビもいるオトナのバンドなのにね。

■オクラホマの巨人、ひみつで来日!!

 さて、HKBがこうして着々とライブの準備をすすめていると……。

 またもや、アイツがやってきた!!

 BLIND BOY M!

 通称BBM。知ってるひとは知っている。オクラホマが生んだ、伝説的ブルー
ス・ミュージシャン。動物とMr.Beanをこよなく愛する心優しきブルースマン。

 昨年10月におこなわれた京都・磔磔でのThe Hobo King Sessionでは、たっ
た1曲のためにわざわざオクラホマから来日。日本では佐野元春の密かな愛唱
曲としても知られるスタンダード・ナンバー「コリーナ、コリーナ」を歌って
喝采を浴びたBBMだが。

 なんと、今回もThe Hobo King Bandお楽しみ会のために極秘来日!!

 極秘なんだけど、一部では勝手に“全国ツアー”ちゅうとのウワサもある。
で、本当はBBMは翌日東京で大切なお仕事ができてしまったので、ゲスト出演
はダメかも……と囁かれた。しかし、1月23日のこと。来日したとたん、なぜ
か浜松アクトシティの楽屋に姿をあらわしたBBMは……

 「いや、大丈夫。行くよ。だって、オレも磔磔出たいもーん」

 と、オクラホマのブルースマンらしからぬ口調できっぱり。

 そして彼は、楽屋での選曲ミーティングにも積極的に参加。しかし、なぜか
佐野元春がサウンド・チェックのためにステージに向かった間は姿を消してい
たのだった……。それにしても、その時ステージのほうから佐野元春が10年以
上も人前で披露したことのない名曲「情けない週末」が聞こえてきたのは何だ
ったのだろうか?(←しらじらしい)

 その後、再び楽屋に戻ってきたBBM。

 バンドが磔磔セッション用に準備していた茶パツロン毛カツラをかぶり、楽
屋に流れていた元春ナンバー「Sugartime」に合わせて激しくヘッドバンキン
グしながらシャウトしてみせるなどエンターテイナーぶりを発揮。

 「今回はヒミツ兵器のサングラスがある」

 と、さらに取り出したのはト音記号を横にした形の不思議なメガネ。なんで
もアラン・ミクリがコレクション用に作った1点ものを譲ってもらったとかで、
非常に美しいアート作品なのだった。佐野元春も何年も前にフォト・セッショ
ンで使用したとか。

 しかし、茶パツロン毛とサングラスをかけている姿は……あやしすぎる。

 こんなの元春じゃなーい(泣)……って、もともと元春じゃないからいいん
だけど。

 そんなBBMのサービス精神に感動したThe Hobo King Bandは、BBMへのお礼の
気持ちをこめたサプライズド・プレゼントを画策。磔磔でのセッションで、BBM
をステージに呼び出す“お囃子”(byHKB)音楽で彼をビックリさせようとい
うことになった。決まったのは、セッション前日。京都会館でのリハーサル中
のこと。

 その「Sugartime」のカップリングに収録された、マージービートの小品
「Wonderland」。この曲を、BBMが席をはずしたすきにこっそりコピー。コロ
ちゃんがさささっと譜面を書き、KYONが曲頭のセリフをサンプリング。果たし
てBBMはどんな反応を示してくれるのか、そして果たして自らも歌ってくれる
のか。ワクワクニヤニヤしながら、こっそりと譜面コピーを配って小声で“口
リハ”したのだった。

 それにしても、オクラホマのブルースマンがどーしてこんなに“佐野元春”
に詳しいのかはナゾ(←しらじらしい)。

■The Hobo King Session at 磔磔

 そして迎えた1月26日。

 当日はThe Hobo King Bandの親しい仲間である、ナゾの2人組キーボード&
ボーカル・ユニット=The Prestonsも出演。思えば、昨年10月に磔磔でおこな
われた1回めのThe Hobo King SessionはThe Prestonsのデビュー・ライブで
もあった。

 そんなご縁もあって、熱心なThe Prestonsマニアである有志がアンオフィシ
ャル・ファン・サイト上で前回&今回のセッションの詳細なライブ・レポート
を掲載している。

 当日、わたくしノージはThe Prestonsのマネージャーとしてゆっくりライブ
を眺めているヒマがなかったうえに、現在こうして原稿を書いているうちに旅
疲れでねむたくなってきちゃったの。そんなわけで、この日のセッションの模
様はThe Prestonsのオフィシャル・サイト内にあるリンク集「We Love 
Prestons!」のページから竹村、qawauchi両氏が主宰するページのレポートを
ご覧ください(と、無断リンク。2人とも、ごめんね)。

 昨日、HKBは福岡サンパレスの楽屋でHKBはおふたりのライブ・レポートを熟
読。「洋楽好きとしての“笑いのツボ”を心得たナイスなつっこみ」と好評を
得たっちゅーことで、これを勝手に“公式レポート”として紹介させていただ
く次第。

 ちなみに、福岡サンパレスの楽屋にもなぜかまだBBMが居残っており一緒に
ライブ・レポートを熟読。その後で「ところでさ……オクラホマって、どの辺
にあるんだっけ?」と、ブルースマンらしいおおらかなボケをかましていたの
でありましたよ……とほほほ。

The Prestons オフィシャル・サイト「Meet The Prestons!」


■おまけ〜演奏曲目リスト

           *曲目に続く( )内はオリジナル・アーティストです。

[第一部]
 1.「Oye Como Va(僕のリズムを聞いとくれ)」(サンタナ)小田原
 2.「丸木舟」KYON
 3.「Dancing In The Moonlight」(キング・ハーヴェスト)佐橋
 4.「Small Town Talk」(ボビー・チャールズ)トミー
 5.「Ol' 55」(トム・ウェイツ)センパイ
 6.「Don't You Care〜僕にはわからない」(佐橋佳幸)佐橋
 7.「Wild Horses」(ローリング・ストーンズ/フライング・ブリトー・ブラザーズ)
    KYON
 8.「American Band」(グランド・ファンク)小田原

[第二部]
 1.「Mercy Mercy Mercy」(キャノンボール・アダレイ/バッキンガムズ)
    ラブ・シャンデリアス(コロ、トミー、ユタ)
 2.「あまりにもヒェー」The Prestons
 3.「節分の唄(元『プレストンズのメリー・クリスマス』)」The Prestons
 4.「BBM 呼び込みのテーマ〜Wonderland(Walkmanのテーマ)」
 5.「Corinna, Corinna」(ジョー・ターナー)Blind Boy M.
 6.「情けない週末」(佐野元春)Blind Boy M.
 7.「Cruel To Be Kind」(ニック・ロウ)KYON with Blind Boy M.
 8.「Hold On」(イアン・ゴム)トミー
 9.「2-4-6-8 Motorway」(トム・ロビンソン・バンド)センパイ
10.「Life In The Fast Lane」(イーグルス)佐橋

[アンコール]
 1.「My Blue Heaven(私の青空)」(エノケン)KYON


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★そんなわけで、現在午前3時ころ。ノージは眠たいです。なぜなら、昨夜は
福岡最後の夜ということで……HKB“お約束”の深夜セッション&ラーメン祭
りがあったからです。オレなんか酔っぱらっちゃって、路上に死す状態だった
よ(反省)この件は、次回STT Vol.4にてお伝えします。
では、次号をお楽しみに。おやすみなさい……ぐぅぅ。
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